同窓会設立にあたって

大学教育の充実、研究の活性化並びに社会の要請に応えるために、この十年間に、教養部廃止と学部四年一貫教育の実施、さらに、大学院重点化による教育研究の高度化が図られ、大学改革が急速に進められてきました。平成7~8年度に、教官組織は理学部から理学研究科に移行し、平成7年度には数学専攻は多元数理科学研究科として独立し、平成13年度には地球惑星理学専攻が環境学研究科(平成13年度創設)に移行しました。このように、理学部・理学研究科は変革期を迎えています。

競争的な環境の中で個性の輝く大学を目指して、国立大学の法人化と大学の組織改革が検討される中で、社会に開かれた大学、産学連携等が求められています。これに応えるためには、大学人の努力のみならず、同窓生の支援・協力が必要であり、同窓会組織をもつことが不可欠となってきました。

名古屋大学理学部は昭和17年4月に理工学部から分離独立して創設され、平成14年4月で創立60周年を迎えることになります。この間に、理学部卒業生 8,482名、大学院修士・博士課程修了生等 5,278名を世に送り出してきました。すでに、数理学科(旧数学科)、化学科および地球惑星科学科(旧地球科学科)は個別に学科の同窓会をもっていました。これに、物理学科(旧物理学科、物理第二学科)と生命理学科(旧生物学科、分子生物学科)を加えて、理学部の各学科を統合した同窓会を組織することにいたしました。

この同窓会は、理学部の在学生・卒業生、大学院理学研究科、大学院多元数理科学研究科および環境学研究科地球環境科学専攻の修了・満了生、中退生と現・旧教職員から構成され、名簿には 14,879名が掲載されています。名称は名古屋大学理学部・理学系研究科同窓会とすることにいたしました。同窓会の活動を通して、大学と社会あるいは同窓生間の交流・連携が深まり、大学の教育研究や社会の発展に貢献できることを祈念しています。

同窓会の設立にあたっては、同窓生の皆様、設立準備委員長松浦民房教授、同窓会事務局平野直子さんをはじめ、多くの方々の協力を得ました。ここに感謝の意を表します。

平成14年(2002年)3月

名古屋大学大学院理学研究科長・理学部長

山下廣順